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リプロス代表・松尾充泰の賃貸経営ノウハウ

サブリース契約と一般管理契約、どちらが得?

「サブリース契約と一般管理契約、どちらが得か?」管理会社の方と話をしていると、こんな会話がたまに出ます。サブリースはリスクが大きいのでやらない管理会社もあれば、積極的にサブリースを受注する管理会社もあります。
 では、大家さんにとってはサブリース契約と一般管理契約のどちらが得なのでしょう。

 サブリース契約は、家賃(空室)の保証を受けて運営を任せる方法です。

 一方、一般管理契約は、自らが貸主として入居者に物件を貸し、管理を管理会社に依頼して管理料を支払います。
そもそも、何をもって「得」をしたと言えるのでしょう。サブリース契約にすることで、大家さんは個人の時間を有効に使う事ができ、また空室リスクも回避しているので「得」をしていると感じるか、1円でも多くの収入を物件から得る事を「得」と感じるか。

 どちらが「得」かは、大家さん個人の価値観により異なるので一概には言えません。

 

 そこで、個人の時間やリスクなどはさておき、単純にサブリースと一般管理ではどれぐらい収益に差があるのか、勝手に想定した条件のもとで計算して比較検討できるようにしてみました。

 想定した条件は以下の通りです。
・管理契約の期間については、サブリース契約で良くあるパターンの10年が条件
・10年間の退去件数は30件(平均で年間3件ほどの解約)
・管理費(共益費)はサブリースであれ一般管理であれ経費として最終的に支出されるものと仮定(最初から便宜上計算から省いています)
・礼金の収入はリフォーム代と同金額と仮定
※簡単に比較するために預かり敷金の金利など、時間的な貨幣価値などは無視して計算しています

【想定条件】
間取:1DK
稼働率:95%
成約賃料:6万円×10室=60万円/月
礼金:2ヵ月
一般管理の料率:総賃貸収入の5%
サブリース賃料:市場賃料の90%
サブリースの免責期間:1ヶ月
退去件数:30件
滞納損金:1.5%(優秀な管理会社なら1%未満)
その他:賃料増減なし。
一般的にサブリースの場合、管理費(共益費)は管理会社が取得しますが、その収入で管理運営をしますので、今回は計算をし易くする為に管理費計算からは省きました。

 また、敷金は収入ではなく預かり金なので省いております。
 

< TR>
  サブリース契約 一般管理契約
初回の免責※1 60万円×3ヶ月
=▲180万円
0円
家賃収入 (初年度540万円×90%)+
(720万円×9年×90%)
=6,318万円
720万円(年)×10年×95%
=6,848万円
仲介手数料 0円 初回60万円+期間中6万円×30回
=▲240万円
礼金収入 0円 初回120万円+360万円
=480万円
リフォーム費用 0円 ▲360万円
(便宜上、礼金と同額。)
滞納損金 0円 ▲108万円
10年後の
キャッシュフロー合計
6,138万円 6,620万円


※1:最初の家賃2~3か月分を免責として管理会社に支払います

 上記の結果、収益(10年後のキャッシュフロー)を見る限りでは一般管理が「得」をするように見えます。

 しかし、管理会社は1年ないし2年で契約賃料の見直しをしますので、10年を平均して予想家賃収入が下がる場合があるのを考慮しなければなりません。

≪大家さんへワンポイントアドバイス≫
 物件を運営し収益を上げる事は大変な労力です。

 これらの労力を全て任せ、リスクを減らしたいならサブリース契約。

 少しでも収益を向上させたいなら、信頼できる管理会社と一般管理契約を締結することをお勧めします。

2004.10/26

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松尾充泰 (まつおみつひろ)
(賃貸不動産経営コンサルタント)
昭和43年大阪生まれ。
96年に賃貸不動産業界での職務経験を生かし、賃貸不動産業界向けソフトウェア開発会社、アクセス株式会社を設立。その後、賃貸不動産会社に対する業務コンサルティング、大家さん・賃貸不動産業界のビジネス支援サイトを運営する、株式会社リプロスを2003年に設立。