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不動産・コンサルタント倉橋隆行先生の不動産投資ノウハウ

間違いだらけの賃貸管理

費用をかければ良いというわけではない!

 ただ管理会社がやるべき清掃業務が行き届いていないため、建物全体が埃を被っている、玄関先に大小のゴミが散乱している、あるいは投棄された自転車が何台も放置されている、こういった物件が多く見当たりますが、これらを改善するだけで入居率は上がるものです。

 本来、そうしたお金をかけない改善もまた管理会社の仕事です。その仕事をやらない管理会社に管理を委託していると、空室が増え稼働率も下がり、オーナーさんの賃貸経営もうまくいきません。また、管理会社が定期巡回してもチェックするだけで、切れた電球を新しいものに交換しなかったり、指定場所以外に捨てられたゴミをそのままにし、すぐに改善できるのにやらないところがあります。

 管理会社がそういった横着な対応をしていると、1個ぐらい電球が切れたままでもいいや、ゴミだって放置しても良いんだ、と勘違いする入居者も出てきます。そうなると、次第に物件全体が汚くだらしなくなり、お客さんにマイナスイメージを与え、結果的には空室が増える“悪い物件”になってしまいます。

 また、お客さんを物件案内した時、建物内の掲示板でみかけたのですが、『この場所に痰を吐かないで下さい』という貼り紙がありました。

 この物件に入居しようかと考えているお客さんが、こうした内容の貼り紙を見たらどう思うでしょうか。実際、案内したお客さんは借りる気持ちが萎えて引いてしまった様でした。ほかにも、『この場所でタバコを吸うな!』『盗難に気をつけてください』といった類いの貼り紙を掲示版に出している物件をよくみかけます。すでに入居している住民へのアナウンスとしては必要でしょうが、掲示板は部屋を見にくる人のスペースでもあるわけです。

 つまり、掲示板は、オーナーさんや管理会社にとって空室を埋めるためのパフォーマンスのスペースにもなるわけです。管理会社の中には、そうした細かいことを考えないで、今住んでいる入居者だけに目を向け、掲示板を活用しているところがあるようですが、当社ではそういう掲示板の特性を活かし、パフォーマンスの場として利用しています。これは分譲マンションに限りますが、不動産投資用として、同じ物件の中に何室も所有しているオーナーさんがいます。

 当社はそうしたオーナーさんの物件も管理しています。“マンションは管理を買え”と言われるように、管理会社でマンションの資産価値が変わるといってもいいでしょう。さらに絞りこめば、管理人いかんとも言えるでしょう。そこで、あるマンションに初めて出向いた時のことです。そのマンションには管理会社から派遣された管理人が常駐していましたが、なんと管理人室でタバコを吸っていました。

 それで、管理人室からのタバコの臭いがエントランスまで充満し、マンション住民もそう感じているだろうと思いますが、われわれ外部から来たものに不潔感を与えました。

 この第一印象の悪さに加え、ポストの取り口前には大きなポリバケツが置かれていました。おそらく、チラシ等が散乱するのを嫌ってポリバケツのような大きな入れ物を置いたのでしょうが、建物に全くそぐわないものでした。

 この2点だけで管理会社を判断しても、管理怠慢を曝け出すようなもので、お客さんを案内しても成約に結びつかないと感じました。

 ともあれ、分譲マンションの一室のオーナーさんでも、管理人や管理状態が悪い場合は、管理会社へ意見を言えるようにしなければ、その物件の資産価値も入居率(投資用ならば)も下がってしまいます。

 物件見学後、当然なことですが、当社はオーナーさんに代って、その分譲マンションを管理している会社へ気がついたことをそのまま報告し、きちんとした管理人を置き、きちんとした管理業務を行うように求めました。

事例

 あるオーナーさんが全60戸の分譲マンションのうち空室分含め45戸を購入したケースです。

 このマンションは旧地主さんが等価交換で取得したもので、新しいオーナーさんは、当社に45戸すべての管理を委託しました。そして、管理委託を引き受けた当社が物件の下見にいったところ、分譲マンションの割には、ゴミ置き場の清掃が行き届いてなく、放置自転車が10台以上、エレベータの中は落書きがされたまま、郵便受けの取り出し口前によくあるポリバケツといった状態で、一口に言えば、管理が杜撰でひどい物件でした。

 そこで当社は、新しいオーナーさんが2分の一以上の部屋を所有し理事会の議決権をもつことになったので、マンション管理会社の怠惰な管理姿勢を正すために理事会へかけるようにと提案しました。理事会でその案件が提出されたことで、以降、マンション管理会社はきちんと管理業務をするようになり、空いていた部屋も埋めることができました。
 

以上、一通りリーシングから管理会社の姿勢まで述べてきましたが、その他にも賃貸管理いわゆるプロパティマネージメントの実践業務の中で必要なものが多々あります。それについては次回述べます。

2006.11/28

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倉橋隆行 (くらはしたかゆき)
1958年9月25日生
96年に(社)全国賃貸住宅経営協会横浜南部支部支部長に就任し、翌年、同協会の神奈川連合会の創設に伴い副会長に就任。98年、不動産業界に関するシンクタンクである不動産体系研究所創設に伴い、取締役所長に就任。99年、総合的な月貸し賃貸の運用会社である(株)月極倶楽部を創立、代表取締役に就任。同時に(株)三春情報センターを退職。そして、資産運用管理会社である(株)CFネッツを創立し、代表取締役に就任。2001年、2002年JREM国際CPM協会副会長就任。2003年4月、IREM(全米不動産管理協会)より、CPM(公認不動産管理士サーティファイド・プロパティマネージャー)の称号を日本で初めての公式試験受験による取得者となる。現在、グループ企業4社の代表取締役と取締役、その他公益法人の役職をこなし、超多忙な仕事をこなしている。
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