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リプロス代表・松尾充泰の賃貸経営ノウハウ

大家さんとの関係においてもっとも重要なこと ≪管理会社≫

 これは、簡単な事ではありませんが、信頼を得る事だと思います。
 信頼を築くには、時間がかかります。

 逆に失うのは一瞬です。

 だれもが解っていることで、そんな事を知りたいのではないと思われると思います。

 また、信頼を築く為に何をすべきかも皆さんはご承知だと思います。

 では、どのような時に信頼を失うのか、ご存知でしょうか。

 管理会社の皆様が気付かないうちに失っている1例を紹介します。

 それは、大家さんから見て、管理会社が入居者寄りの立場にいると思われた時です。

 具体的に言えば、それは、退去時の原状回復問題が発生した時です。

 今までは、入居に原状回復費用を全額負担して頂く事が当たり前の時代でした。

 それが、近年、国土交通省のガイドラインによって、通常損耗は大家さんの負担であるといった見解が示されるなど、入居者に負担して頂く事が難しくなりました。

 この事実にもとづき、当然のように大家さんに原状回復の費用負担を要求するとどう思われるでしょうか?

 今までとは違う対応に不信感を抱き、入居者寄りの立場に映ることで信頼を失うきっかけになります。

 まず、管理会社がしっかりと原状回復における問題を勉強し、大家さんに説明し理解を得る必要があります。

 そして、今後、この環境の変化に対応するため原状回復にかかる費用を抑えるリフォームの提案であったり、原状回復問題で大家さんが少しでも不利にならない契約書の改善であったり、大家さんの立場に立ち考える姿勢が大切だと思います。

 それを、「時代が変わったので仕方がないでしょう」といった態度では、信頼を失いかねません。

 つまり、信頼を失うのは、失敗した時や悪いことをした時だけではないのです。

2004.04/09

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松尾充泰 (まつおみつひろ)
(賃貸不動産経営コンサルタント)
昭和43年大阪生まれ。
96年に賃貸不動産業界での職務経験を生かし、賃貸不動産業界向けソフトウェア開発会社、アクセス株式会社を設立。その後、賃貸不動産会社に対する業務コンサルティング、大家さん・賃貸不動産業界のビジネス支援サイトを運営する、株式会社リプロスを2003年に設立。