事例
これも警察の協力を要請した事例で、『賃貸トラブル110番』(倉橋隆行著、にじゅういち出版)のなかでも紹介してあります。
当社が管理している物件で、1階のスペースがすべて駐車場になっている3階建ての賃貸マンションに、虚偽(入居後に分りました)によって親子3人(母親、中学2年の娘、小学3年の息子)が入居しました。
そのお母さんは親の経営する会社の経理事務員という契約内容でしたが、事実は夜の水商売の仕事をして、毎日夜中にならないと帰宅していませんでした。そんな家庭で、中2の娘がその駐車場に暴走族の仲間を集め、シンナーを吸ったり、花火をしたりして毎晩騒いで近隣住民に迷惑をかけていました。
調べてみると、その家族は、前の住居でも娘が同じようなことをして、そこに住めなくなり、この物件に転居してきたということが分りました。
当社は、はじめは近隣からの苦情を処理していたのですが、これでは駄目だという結論に達し、明渡しの請求をすることになりました。その際、騒音被害を受けている近隣住民と協力しながら警察に通報して証拠を残し、最終的に、契約違反による契約解除を理由にその家族を退去させました。
繰り返しますが、不当な入居者を退居させるには、その対処方法を知らないとどうにもなりません。
上記のような悪質な迷惑行為・事件が長引けば長引くほど、その物件に住んでいる人は嫌がってどんどん出ていってしまい、オーナーさんの損失が大きくなります。
事例
オーナーチェンジした某賃貸マンションを当社が管理することになりました。
その物件は駅近で立地条件が良いのに、購入時は16室中4室空いていました。空いている理由は、不良といえる3人の入居者でした。とくに入居促進に悪影響を与えた入居者は、夜中になると、大きな声を上げたり奇声を発したりして隣室・近隣の住民に迷惑をかけていた女性で、当初から薬物中毒者ではないかと思ったほどです。そんな病的な女性で、当社が何度注意しても騒ぐのをやめません。
そこで、騒ぐ状況も普通ではなかったので警察の協力をあおぎました。そして警察にこの女性の過去を調べてもらったら、予想した通り、薬物中毒者ということが判明しました。警察の方はさっそく女性を拘束し、部屋に立ち入ると覚せい剤がみつかりました。
さらに尿検査で覚せい剤の使用がみとめられ、女性はそのまま拘置所へ収監されました。
当社は、継続してその女性に部屋を貸すと大変なことになるので、拘置所にいるうちに、契約解除の手続きをとって法的に強制執行の形で退去してもらいました。
これは事件性のある大変な入居者でしたが、比較的に早い段階で決着したので、他の入居者もオーナーさんも大変喜んでくれました。とにかく、このような事件性のある問題が起きたとき、的確にスピーディーに対処できることが管理会社には要求されるわけです。
ちなみに当社は、財団法人全国賃貸住宅経営協会に加盟し、私自身が同神奈川連合会副会長を務め、神奈川県警とともに『犯罪のない街づくり』を推進しています。そんな関係もあり、警察とは普段からいろいろと情報交換をしています。