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不動産・コンサルタント倉橋隆行先生の不動産投資ノウハウ

間違いだらけの賃貸管理

リーシング不足で“ダメ図面”!

 管理会社の優劣を判断する基準の一つがリーシング能力です。

 リーシングマネージメントといっても多岐にわたりますが、まず頭に浮かぶのが“入居者募集”活動だと思います。

 また入居募集と言えば“図面”です。たとえば、業者同士で情報をやり取りする図面ですが、この図面をそのまま店頭に貼って入居者募集を行なう不動産業者も多く、営業戦略上で大切なツールとなっています。

事例

 たとえば、C社の物件ですが、手書きの汚い図面になっていて、これでは築10年も経っていない建物とは思えないでしょう。すなわち、この図面を見た時、お客さん(一般ユーザー)がどう反応するのかを考えることもリーシングマネージメントです。

 この能力が集客力の差になりますし、優良な管理会社と仲介専門の業者との違いとも言えます。汚い図面を見せられては、せっかく良い物件であっても決まりにくいものです。

 仲介・客付け業は広告業務も含まれるわけで、広告能力がないと集客できません。

 

 次のD社の図面は、ただ簡単に間取り図があるだけで、なんのコメントも記載されていません。この図面を見たお客さんは、この物件の良さを感じることができるでしょうか? 疑問です。

 厳しい賃貸住宅市場の中で、C社やD社のような図面しか作成できない管理会社、あるいは仲介会社に入居者募集を依頼してもなかなか客付けできないでしょう。

 

 図面を作成するには、まず募集する物件をどのように広告したらベストなのかを確認することです。

 当社の図面について言えば、建物の外観写真図、平面図、そして物件の特徴が記載されています。この図面を見て、お客さんが反応するわけですから「ぜひ、この物件を見てみたい」という記述がなければ、お客さんを案内に導くことができません。

 なにより、当社は物件の現場取材など、図面作成に相当な時間をかけていますので、それだけ物件の特徴も多く記述することができていると自負しています。また、細かい事ですが、間取り図を引いた時に、ベランダが南向きなのに下に書いていないものがあります。

 業界の人たちは方角が「下が南」であることを知っているので、上にベランダがあると“北向き”と勘違いします。

 航空地図や一般の地図でも必ず下側が南を示しています。ということは、お客さんは図面を見た時に自然と下が南という認識を持っています。ですから、ベランダ、バルコニー等は下に表示することです。

 別の図面には、一つの物件にいくつも空いた部屋が表示されています。おそらく、素人の不動産屋さんの図面だと思いますが、これをお客さんが見たら「なんだ、この賃貸マンションは部屋が一杯空いている」という記憶が先行し、見る気が失せてしまいます。

 そこで、部屋が2つ3つ空いていても、空き部屋の番号を一つに絞って、問い合わせのあった段階で部屋番号を変更するというのが通常の表示の仕方です。

 また、間取りと絵だけの図面がありますが、これでは供給サイドが何を意図しているのか皆目検討がつきません。この図面を見た人は、この物件を見たいと思うでしょうか。イラストや漫画は、ある意味ではアットホームに感じることもあるでしょうが、趣旨・目的が分らない絵を入れた図面は最悪です。

2006.07/18

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倉橋隆行 (くらはしたかゆき)
1958年9月25日生
96年に(社)全国賃貸住宅経営協会横浜南部支部支部長に就任し、翌年、同協会の神奈川連合会の創設に伴い副会長に就任。98年、不動産業界に関するシンクタンクである不動産体系研究所創設に伴い、取締役所長に就任。99年、総合的な月貸し賃貸の運用会社である(株)月極倶楽部を創立、代表取締役に就任。同時に(株)三春情報センターを退職。そして、資産運用管理会社である(株)CFネッツを創立し、代表取締役に就任。2001年、2002年JREM国際CPM協会副会長就任。2003年4月、IREM(全米不動産管理協会)より、CPM(公認不動産管理士サーティファイド・プロパティマネージャー)の称号を日本で初めての公式試験受験による取得者となる。現在、グループ企業4社の代表取締役と取締役、その他公益法人の役職をこなし、超多忙な仕事をこなしている。
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