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不動産・コンサルタント倉橋隆行先生の不動産投資ノウハウ

間違いだらけの賃貸管理

同業者に不親切な管理会社

 当社が、他の管理会社へ物件等について問い合わせた時、電話に出た相手の対応で「この会社とは取引したくない」と思うことがあります。

 最初は明るい声で応対した電話嬢が、こちらが同業者と分ると手のひらを返したように声が曇り、不快感を覚えたことが時々あります。そうなると、感情的にこちらも客付けを依頼したくなくなるものです。

 同業者に対し、このような応対しかできない管理会社は、情報ネットワークの間口が狭くなり、ひいては決まる確率を自ら低くしてオーナーさんに不利益を与えることになります。

 当社は、同業者からオーナーさんに直接任かされている物件以外の問い合わせがあった場合でも、適当な物件があるなしに関わらず、多少条件がずれても他の物件を紹介するように社員教育しています。

 ところが管理会社によっては、問い合わせた物件の借り手がすでに決まっていれば、「もう終わっています」、ガチャ、と電話を切ってしまうところもあります。そのような対応をする管理会社もオーナさんにとってはマイナスです。ということで、物件を預けている管理会社の電話の応対一つとっても、オーナーさんは厳しくチェックする必要があります。

 また、当社の場合は応対等の良い業者さんを確保するため、エリア毎に物件の反響ノートをつけて、それをFAXと台帳に登録しています。そうすることで、たとえば、Aのエリアにある物件について、違うBエリアの業者さんから問い合わせがあったります。その記録を残しておき、次からはこの業者さんには、Aエリアの情報も流します。

 一般的には、業者さんは自社周辺のエリアを営業エリアとしていますが、時には通常の営業エリア以外でも、法人客がいたりして違うエリアの物件を決めてもらえる可能性が出てくるわけです。お客さんを決めるのは物件に近い業者さんばかりとは限りません。

 このような客付けに協力的な業者さんを登録しているので、新規の物件を預かっても、いち早くそうした業者さんに紹介することにより、早期にお客さんを付けてもらうチャンスが広がってきます。こうしたことは日常的に努めています。

 また空室情報についても、コンピュータと台帳で管理しています。ユーザーや業者さんから問い合わせがあった時、そのエリア(物件)の担当者が不在でも、当社の事務員が対応できる体制が整っています。

 当社に来たお客さんから「担当者じゃないと分らないからと言われ、仕方なく、違う会社で物件を探すことになった」という話もよく聞きます。

 つまり、お客さんがわざわざ目当にした物件に対し、その会社の担当者じゃなければ対応できないようでは決まりにくいはずです。

 いくらオーナーさんや物件が良くても管理会社の対応いかんで決まらないことも多くあります。

2006.08/29

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倉橋隆行 (くらはしたかゆき)
1958年9月25日生
96年に(社)全国賃貸住宅経営協会横浜南部支部支部長に就任し、翌年、同協会の神奈川連合会の創設に伴い副会長に就任。98年、不動産業界に関するシンクタンクである不動産体系研究所創設に伴い、取締役所長に就任。99年、総合的な月貸し賃貸の運用会社である(株)月極倶楽部を創立、代表取締役に就任。同時に(株)三春情報センターを退職。そして、資産運用管理会社である(株)CFネッツを創立し、代表取締役に就任。2001年、2002年JREM国際CPM協会副会長就任。2003年4月、IREM(全米不動産管理協会)より、CPM(公認不動産管理士サーティファイド・プロパティマネージャー)の称号を日本で初めての公式試験受験による取得者となる。現在、グループ企業4社の代表取締役と取締役、その他公益法人の役職をこなし、超多忙な仕事をこなしている。
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