今後、土地有効活用また賃貸住宅経営をとりまく環境はますます厳しくなることが予想される。先ほども触れたが、成功するのか、しないのかは、その土地の周辺情報に大きなヒントがあるとみている。
以前、横浜市のアパートオーナーに「子供一人に付き賃料1,000円引きにしたら」という奇策を提案し、実践したことがあった。
14戸(2棟)のうち4戸が空いたままになっている物件の空室対策だった。
まず外壁をキレイにしたり、物干し場所を設けたり工夫をこらしたが、キーポイントと考えたことは家主が、そのアパートの裏手で開園している幼稚園のオーナーであることだった。入居者を増やすことと、幼稚園児を確保することと結びつけたわけである。その結果、空室だった4戸のうち3戸が小さな子供のいる家庭であった。一応成功したわけである。
また当然のことだが、女性は賃貸住宅で1階に住むことを嫌う。理由は防犯上の問題もあるが、下着ドローボーに対する警戒心である。今日、ドアにはチェーン付きロックというより、テレビモニター付きインターホーンは当たり前の時代になるだろう。
とにかく、賃貸住宅が成功するのかどうかのキーポイントは、その物件に集客力があるかどうか。これはアメリカでも日本でも同じだが、まだ日本ではアメリカのように管理会社やCPMなどに任せっきりというわけにはいかない。
土地の有効利用の段階から、オーナーと不動産業者がパートナーシップをもって、何をテーマにした物件にするか、そして、何をアピールするかをよく考えることである。
とくに、オーナーは物件の周辺情報は的確に、近くにコンビニや学校、市営プール等々、プラス面をどんどん業者に知らせること。一般的に、客付け業者は印象のない物件は後回しにするものである。
また、繰り返すが、土地の有効活用で大事なことは、1まず資産の組み合わせを考え、投資効率のよい物件を追求する。自用地を他の土地にシフトすることを臨機応変に行なうこと。
2建物は第一にデザインで集客力をつける。
3賃貸住宅なら、なるべく長く住んでもらう工夫、サービスを考える、とともにメンテをきちんとやる。
4空いたら、すぐに次が決まるように、ストックを確保しておく。
たとえば、物件ごとに補充できるように、物件看板には物件名とともに連絡先を書き込んでおく。
5インターネットのホームページを活用する。
業者は登録物件情報など、どの検索サイトからでも上位にくるように努めるとともに、オーナーはHPランク上位の業者と付き合うようにすること、などが挙げられる。