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不動産・コンサルタント倉橋隆行先生の不動産投資ノウハウ

現状の賃貸住宅環境と今後の土地有効活用 アメリカ型へ、サービス力が物言う!
PART3 米国ノウハウ、日本に上陸

アパートに時計台設置

 横浜の『メディカルプラザ』に時計台をつけた奇抜なアイデアを、愛媛県松山市の業者さんが着目し、自社所有の新築アパートにも時計台を設置した。この建物は駐車場の半分を借地して建てたもの。駐車場のオーナーは、車30台分おけるスペースに対し、10台分しか埋まらないこともあり、「この時期にアパートを建てるのはコワイ」と、アパート建設にも消極的だった。

 そこで、その業者さんが宣伝効果を考えた末、看板を見てもらうために目立つものとして、時計台のアイデアを取り入れたのである。

 そのアパートは1階がコンビニで上階がワンルーム5室(1室をマンスリー用)と小規模で建物も地味であったが、「時計台(裏側にも設置)のついているアパート」ということで、地元ではちょっとした有名な建物になり、予想した賃料(4万円)より高く、早い時期に満室となった。

 その業者さんは、すでに10戸規模の地元第2弾「時計台付きアパート」を計画している。

 

 また、都市圏では珍しくないデザインが、地方圏では浸透しておらず、斬新に映ってアピールになるケースもある。岐阜のデベロッパーの話で、その会社は技術力に優れているものの、なぜか商品の売れ行きが悪く、私がコンサルティングしたことがあった。

 さっそく商品の1つである5階建て鉄筋造りの賃貸マンションを見せてもらった。

 そのマンションは昔ながらのデザイン、そして建物構造をみても、都市圏のマンションでは当たり前になっているエントランスのスペースはなく、階段も外階段だった。

 私は「これでは、マンションとは呼べない」と指摘した。そして、新しく賃貸マンションを建設する計画が持ち上がった際、私は指摘したことに基づいて、3階建ファミリータイプマンション(38戸)を企画設計(設計は外部)した。

 オートロック、内階段、エントランスの入り口正面には目立つように絵画を飾った。これはアメリカ式のサービス力を発揮した企画とは言えないが、お客さんの反応は上々ですぐに満室になった。地方圏ではこのような当たり前の企画が商品企画に有効になるということだ。

2006.05/16

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倉橋隆行 (くらはしたかゆき)
1958年9月25日生
96年に(社)全国賃貸住宅経営協会横浜南部支部支部長に就任し、翌年、同協会の神奈川連合会の創設に伴い副会長に就任。98年、不動産業界に関するシンクタンクである不動産体系研究所創設に伴い、取締役所長に就任。99年、総合的な月貸し賃貸の運用会社である(株)月極倶楽部を創立、代表取締役に就任。同時に(株)三春情報センターを退職。そして、資産運用管理会社である(株)CFネッツを創立し、代表取締役に就任。2001年、2002年JREM国際CPM協会副会長就任。2003年4月、IREM(全米不動産管理協会)より、CPM(公認不動産管理士サーティファイド・プロパティマネージャー)の称号を日本で初めての公式試験受験による取得者となる。現在、グループ企業4社の代表取締役と取締役、その他公益法人の役職をこなし、超多忙な仕事をこなしている。
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