今回は幹線道路沿いの土地活用として、ロードサイド店舗による賃貸不動産経営をご案内します。
これを読んで参考になるのは、国道など比較的交通量の多い幹線道路沿いに土地をお持ちの方です。
もちろん、すべてのロードサイド店舗が交通量の多い立地であることを絶対条件にするのではなく、賃料なども含めた総合的な判断によって出店されますので、気になる地主さんはご自分で判断するのではなく、普段お取引されている不動産会社に相談してみてください。
とこで、このロードサイド店舗には、どのようなものがあるのか、少し列記してみます。
レストラン、ファーストフード、衣料品、薬局、カー用品、ディスカウントショップ、コンビニ、ガソリンスタンド、自動車販売など、他にも沢山あります。
これらの大半が自ら土地を取得するのではなく、賃貸しお店を経営しているのです。
では、これらのロードサイド店舗の賃貸経営とは、どのような形態があるのか、また、そのメリット、デメリットや経営上のポイントなどを解説したいと思います。
まず、契約形態を分類します。
1.リースバック方式 (建設協力金方式) |
建設協力金を受取、そのお金でオーナー(地主)自ら建物を建設し、家賃を受領する方式。この事から、建設協力金方式とも呼ばれている。 |
2.自己資本方式 | オーナー(地主)が自らのお金で建物を建設し、家賃を受領する方式。比較的、小規模の店舗か大規模な商業施設がこの方式を選択しています。 |
3.借地方式 | 土地を賃貸し、その地代を受領する方式です。建設費の負担などのリスクが少ない代わりに、賃貸収入も少なくなります。 |
この中で、もっとも多いのがリースバック方式ではないでしょうか。
自己資本方式は、一般の地主さんにとってリスクが大きすぎて実施されるケースは少ないと思います。
また、借地方式は、今もありますが、借りる側の企業からみれば、リスクが大きくやはり主流ではありません。
今回はもっとも多いリースバック方式のメリットとポイントをご説明します。
リースバック方式(建設協力金方式)
リースバック方式は、建設協力金や敷金(保証金)を借主側が地主さんに差し入れ、その費用を建設資金に充当し、毎月の家賃から相殺する形で返済する
上記のように、建設協力金と敷金(保証金)を借主側から差し入れてもらい、この費用を建設費に充当し建設します。
ただし、すべての建設費用を充当できるだけ、借主側から差し入れられる訳ではありません。
70%程度の場合もありますし、100%の場合もあります。
その程度は、借主によって違ってきます。
また、立地やその他の賃料の条件などによっても違ってきます。
また、預けられた敷金を毎月返済する契約や契約終了時に一括して返金する契約など様々です。
例)
これは、消費税やその他の経費を省き、単純化して計算しています。
【契約内容】
契約期間 20年
賃料 100万円
敷金 1,000万円(建設協力金に充当、契約終了時に一括返金)
建設協力金 2
,000万円(建設協力金に充当)
建設費 3,000万円
【収支】
月額賃料 100万円
建設協力金返済 8.3万円(建設協力金÷20年÷12ヶ月)
月額賃料-建設協力金返済 = 91.7万円(月額)
メリット
・
建設費の資金調達が建設協力金でできる。
・ 途中解約の違約金を科す契約がしやすい。
定めた契約期間に借主の都合により契約を解除した場合、違約金を科すことができる契約が一般的で建設協力金の返金が不要となるので、突然の契約解除によるリスクを下げることができます。
ポイント
ポイントは、ずばり契約内容です。
借主は賃貸マンションの入居者と違い、契約においては地主さんより手馴れており、借主としてはプロと言えると思います。
そして、借主の代わりとなり、店舗用地を探している業者は、借主の為に探している訳ですから、借主にとって有利な契約条件を引き出そうとするわけです。
このような状況で地主さんが自分に有利な条件を引き出すのは難しいと思われるので、日ごろから付き合いのある不動産業者をパートナーにして、適正な賃料と適正な条件で契約してもらえるように調整してもらうことをお勧めします。
または、複数の借主希望を募り、好条件を出してくれるところを選ぶのも良いかもしれません。