今回は投資のタイミングについて、書かせて頂きます。
個別コンサルティングをさせて頂く中で、土地活用を考えている方から投資のタイミングがわからないと言った相談を受けることがあります。
そうした相談をされる方の多くは、ご自身の人生設計やご自身の状況などを私に話される前に、「アパート経営を考えているのですが、いつから始めるのが良いかわかりません。
いつから始めるのが良いですか?」と唐突に質問されます。
そんな時、私は「●●さんの人生設計や今の経済状況などがわからないので、私もいつから始めるのが良いか、すぐにはお答えできません。
こちらからまず質問をさせてください」と申し上げます。
ご自身の人生設計から経済的な事情などをお聞かせ頂き、そして、最終的には土地活用を考えている地域の不動産市場の状況なども考えていかなければ、正しいアドバイスはできません。
例えば、商売を始めたばかりの方の場合、手元に流動性の高い現金が必要だったりします。
だとしたら、手元が不安になるほどの現金が必要な土地活用は避けるべきだと言えます。
しかし、必要な手元の現金も、商売や個人の感覚によって違ってきます。
また、近隣の大学が移転や増築をするかもしれないという時に大学生向けのアパートを計画するのは、リスクが高く避けるべきかもしれません。
また、土地区画整理事業などで同時期に大量に土地が市場に供給される場合にスーパーが土地を貸してほしいと申し出たとします。
そして、ご自分で借金をしてまでアパート経営をしたくないと考えていたなら、条件があえば早く貸すことが最善策かもしれません。
なぜなら、スーパーが他の土地を借りるかもしれませんし、他にあなたの土地を借りようという人がいないかもしれません。
つまり、同じ立地の土地だとしても、所有している人によって、投資のタイミングは違ってくることになります。また、どのような土地活用を行うかによっても違ってきます。
しかし、地域や個人的な事情を考えなければ、投資のタイミングとしては、今はとても良いと思うのです。
それどころか、正確にいえば、これから段々悪くなると思うのです。
これは、個人的な見解です。
投資のタイミングとして今が良いと考える理由は3つあります。
1.低金利
皆様もご承知の通りです。借金をする予定がなければ、あまり関係ありませんが、そうでなければ、金利が上昇すれば、無駄な費用を払うことになります。
よって、できるなら、低金利の時に借金をするのが得策だという簡単な理屈です。
2.建築コスト
建築資材だけではなく、現場で働く人が高齢化しており腕の良い職人は既に不足しています。
また、建築における安全基準の見直しや環境に配慮した取り込みの結果、建築コストが今後、上昇すると私は予測しております。
だから、なるべく早い方が得だろうと考えています
3.早い者勝ち
なぜ、早い者勝ちかと言いますと。
早くから賃貸経営をはじめて、少しでも多くの利益を出し、早めにローンを返済していれば、それだけ賃貸経営としては、体力(資金的持久力)をつけることができます。
後から賃貸経営に参入するものは、それがありません。
ちなみに、「早い者勝ち」する為には、そもそも、利益のでる賃貸経営をしておかなければなりません。
また、その土地活用が年数を経ても陳腐化しないようなものでなければ、なりません。
以上の理由から、個人的には早めに土地活用をする方が基本的には得策だと考えています。
多くの方が土地活用で失敗するのは、せっかく早くから土地活用を始めたのに年数の経過とともに老朽化して、建て替えが必要な物件です。
しっかりとした物件を建てて、手を加えれば最低60年。
できれば100年は賃貸経営ができる物件を目指されては、と思います。
または、割り切って、短期間で償却を終えることができ、将来取り壊しをしても利益が残るような物件を建てることをお勧めしたいと思います。
もっとも、悪いのは中途半端な物件です。つまり、ローンは残っているのに、老朽化や時代のニーズと合わず陳腐化した物件です。
そうならない為にも、投資のスタンスをよく考えてから、投資のタイミングを図り投資して頂きたいと重きます。
これをもちまして「失敗する土地活用」は連載を終了とさせていただきます。
次回、どのような記事を書かせて頂くかは未定ですが、皆様のお役に立てるような掲載を今後も続けて参ります。