前回は募集業務について書きましたが、今回は入居してくれる方が決まった後の業務となる入居者管理について書きます。
入居者管理という言葉を入居者の方が聞かれると気分が悪いかもしれませんが、良い状況で運営しようとするとやはり、管理は必要です。
では、どんな管理が必要なのでしょうか?
入居者管理
1契約内容や共同生活のルールを理解して頂く
契約内容をしっかりと守って頂くことや、共同生活をするにあたり、一定のルールを守ってもらえるようにする管理です。
この一定のルールを守ることは共同生活をする上では当然の事ですが、中には守れない人がいます。たとえ一人でもこうした人が勝手気ままにふるまうと他の入居者も真似をして秩序が維持できなくなります。
こうした事にならないように、しっかりと契約内容の再確認や共同生活のルールについて説明する必要があります。
特に最近問題になっているのは、ゴミの出し方です。
分別をしない入居者やゴミの日でもないのにゴミを捨てる人がいます。
こうしたことを防ぐ為に、ルールを守っていないゴミがあった場合は、空けて入居者を調べる事もありますと事前に伝えるだけで、大きな効果があります。
2問題が発生したら早期に対応
1で書いたようなことをしても、ゴミを正しく出さない入居者がいた場合には、全員のポストに手紙を出すことをお勧めします。
内容は警告ではなく、やわらかく、お願いする形の文章でまとめ、「ゴミを出すルールをお忘れの方がいます」と。
そして、それは他の入居者の迷惑にもなることと、このような事が続くと誰がされているかを調べてご注意する事になりますと記載するのです。
ルールを守らない人に対する不満を持つ良い入居者に対しても、きちんと管理していると思って頂くことができながら、ルールを守らない人にプレッシャーを与えることができます。
それでも、ルールを守らないゴミが頻繁にでるなら、ゴミを空けて身元がわかるダイレクトメールなどから、調べる事も可能です。
ただし、これはゴミとはいえプライバシーの問題もあり、入居者と感情的なトラブルになる可能性がありお勧めはできませんし、当社はなんら保証もできませんが、実際にそこまでやる管理会社は存在します。
ところで、防犯カメラがこのように、ゴミの出し方を守れない人を無くす効果もあります。
防犯カメラにゴミを出す姿が映る場合です。
しかし、時にはこの防犯カメラが入居者とのトラブルになったりもします。
それは、この防犯カメラの使い方を間違えているオーナーが管理ではなく、監視に活用してしまっている場合です。
防犯カメラに写る、家賃の滞納者に対して、夜遅く帰ったりしている生活態度を改めよと注意したり、また、若い女性宅に週末に訪れる男性がいることを注意したりする人がいますが、これは管理ではなく監視になり、時にはプライバシーの侵害になりますので、ご注意ください。
その他、学生などは友人を招いて騒ぐこともあります。
これも早期に注意する必要があります。
また、問題を放置していると、オーナーが他の入居者から訴えられる可能性もあります。
例えば、ペットです。
ペット禁止でありながら、それを注意せず放置しているとペットのアレルギーがある入居者からすれば、良い迷惑なのです。
以上の説明でご理解いただけたと思いますが、これら入居者管理は最初が肝心です。
そして、問題があったら早期に対応して解決しなければなりません。
また、最近は昔なら当たり前と思えたことでも、いちいち説明しないと知らない人がいます。
例えば、賃貸物件を借りた人は自分が所有する家よりも更に注意してきれいに使うのは当然のことですが、自分の家以上に汚して使う人がいます。
定期的に清掃したり、結露したりしないように換気することを教えなくてはなりません。
退去時に、部屋を通常損耗以上に汚した入居者と費用の負担にまつわるトラブルになっているオーナーや管理会社がありますが、入居時にしっかりと生活のルールや契約内容を説明できれば、ある程度回避できたりもします。
また最近は、外国人入居者の生活習慣が違うことからこのようなトラブルが発生してもいます。
これらの問題を事前に防ぐ為に住まいのしおりやビデオを作って説明したりしている管理会社もあります。
皆さんも是非、独自のすまいのしおりを作られては如何でしょうか。
最後にもうひとつポイントを申し上げます。
それは、入居者に注意する時の言い方です。
上からモノを言う姿勢ではいけません。
あくまでもお客様です。
友人と旅行で旅館に宿泊して、騒ぎすぎたとします。
こんな時でも、一流旅館なら上からモノを言うことはありません。
そうしたことを想像して入居者管理を行うことをお勧めしたいと思います。
さて、次回は入金管理についてご説明します。話の大半は、家賃滞納者にどう対応するのかという話になります。