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不動産・コンサルタント倉橋隆行先生の不動産投資ノウハウ

間違いだらけの賃貸管理

相続対策もPM業務の一環(4)

事例

 当社がコンサルティングした建物の基礎工事に立ち会った時のことです。

 現場では、基礎がまだ水平になっていない状態で土台を組んでいる場面でした。

 そこで当社のスタッフが、水準器をあわせ傾斜があること確認し、その建築業者にいったん施工を止めてもらい、もう一度レベラーで水準を取り直すように指示しました。

 そうすることで、将来建物が不具合になるというリスクを回避させたわけです。

 仮に、そのまま基礎の水準が保てないうちに土台をのせ、その土台の木材等で調整すると、ある日突然建物が傾くという、いわばテレビ等で社会問題化している“欠陥住宅”となってしまいます。

 “欠陥住宅”というのは、周知のとおり、建てた会社はほとんど倒産しますが、すぐに新たな会社を設立して、同じようなことをする可能性が高いのです。

 そして、“欠陥住宅”の家主あるいはオーナーさんがその責任を追及することは難しく泣き寝入りすることになります。

 ですから、建物の「施工を管理する」ということは大事な管理会社の仕事なのです。

事例

 ハウスメーカーと、海の近くにある土地に賃貸物件を建設する契約をしました。

 当社は事前に、予定賃料から割り出した建物価格を算定しており、追加工事はいっさい受けつけないという約束で施工が始まりました。

 ところが、実際に土を掘りはじめたら、そこが砂地になっていて防水工事が不可欠となり、そのハウスメーカーから追加工事として500万円以上請求されたことがありました。

 それに対し当社は、見積の段階で地中調査も行なっており、砂地であることは当然予測できたはずであるとし、設計ミスを起したのはハウスメーカーの方であると主張し、当社は1円も払わずに追加工事をさせることができました。

 これは、当社がその業者と長く付き合っているので、相手からしてみれば「仕方なく」自分の利益を切り詰めたわけです。

 このようなこともプロの業者間では起こり得るわけです。

 つまり、建築の発注量が個人レベルと違うから可能なわけで、リスク回避という点からすれば、オーナーさんが賃貸物件を建てる場合は、直接建築会社と交渉するのではなく、建築の発注実績のあるコンサルタントのような専門家を介した方が間違いは少ないでしょう。

2007.01/09

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倉橋隆行 (くらはしたかゆき)
1958年9月25日生
96年に(社)全国賃貸住宅経営協会横浜南部支部支部長に就任し、翌年、同協会の神奈川連合会の創設に伴い副会長に就任。98年、不動産業界に関するシンクタンクである不動産体系研究所創設に伴い、取締役所長に就任。99年、総合的な月貸し賃貸の運用会社である(株)月極倶楽部を創立、代表取締役に就任。同時に(株)三春情報センターを退職。そして、資産運用管理会社である(株)CFネッツを創立し、代表取締役に就任。2001年、2002年JREM国際CPM協会副会長就任。2003年4月、IREM(全米不動産管理協会)より、CPM(公認不動産管理士サーティファイド・プロパティマネージャー)の称号を日本で初めての公式試験受験による取得者となる。現在、グループ企業4社の代表取締役と取締役、その他公益法人の役職をこなし、超多忙な仕事をこなしている。
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