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不動産・コンサルタント倉橋隆行先生の不動産投資ノウハウ

現状の賃貸住宅環境と今後の土地有効活用 アメリカ型へ、サービス力が物言う!
PART1 二極化進む、賃貸住宅市場

自分の足で物件見る目を肥やせ

 賃貸住宅市場は借手市場に加え、マーケットの二極化、そして絶対ニーズの減少傾向が進み、お客様(入居者)の取り合いといっていい今日、一体、どんな物件なら集客力があるのか。まず言えることは、今までと違い、オーナー自身が、お客様の目となって色々な物件を見て回り、自分が借りたくなるようなものを供給することである。実際、多くの家主さんは自分の物件を知らなすぎる。1度建てたら、建てっぱなしで、あとは管理会社に任せっきり、これから建てるにしてもハウスメーカーや業者に全面的に依存してしまうといった、ほとんどが他人任せである。

 こんなことがあった。築30年経つアパート(20戸)のオーナーが来社し、「8室空いたままなので、なんとかしてください。もう借金はなくっていいんだが、空いていると世間的にみっともなく、防犯上の問題もあるし」と相談にやってきた。
 私は、そのアパート付近の物件情報を15,6件ほど集め、そのオーナーと一緒に最寄駅から物件地まで順に「ここの物件は、築何年、家賃○○円で空室×件」等々、情報と照らし合わせながら見て回った。それから、オーナーが所有する物件と比較することにした。そして、空室の一室に入ってみると、オーナーは開口一番「キタナイね」と、他人事のような言葉を発した。
 内装は所々クロスを張り替えているものの、壁、床ともに汚いままで余計そのギャップがひどかった。それから、もっと驚かされたことは、風呂が30年前の旧式で狭く、またガス器具が自分で点火するもの、私は思わず「これじゃあ、今の若い人は嫌がりますよ」と口に出してしまったほどだ。
 そのアパートはすべて2DKで、家賃は相場の8万円より15%安く68,000円だった。私は、オーナーに提言して、内装をペンキで塗り替えるなどし、風呂も当たり前の自動式のものに替え、家賃もさらに3,000円安く65,000円にさせた。案の定、1ヶ月ほどで、空いていた8室すべてが埋まった。相場的には当然だ。つまり、いくら古い建物でも、マーケットを絞り込み、家賃を押さえ、1キレイ2利便性3防犯の三つを抑えておけば、集客できるものである。それを見極めるためには、まず自分の物件と周辺の物件とを見比べることである。

2006.02/28

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倉橋隆行 (くらはしたかゆき)
1958年9月25日生
96年に(社)全国賃貸住宅経営協会横浜南部支部支部長に就任し、翌年、同協会の神奈川連合会の創設に伴い副会長に就任。98年、不動産業界に関するシンクタンクである不動産体系研究所創設に伴い、取締役所長に就任。99年、総合的な月貸し賃貸の運用会社である(株)月極倶楽部を創立、代表取締役に就任。同時に(株)三春情報センターを退職。そして、資産運用管理会社である(株)CFネッツを創立し、代表取締役に就任。2001年、2002年JREM国際CPM協会副会長就任。2003年4月、IREM(全米不動産管理協会)より、CPM(公認不動産管理士サーティファイド・プロパティマネージャー)の称号を日本で初めての公式試験受験による取得者となる。現在、グループ企業4社の代表取締役と取締役、その他公益法人の役職をこなし、超多忙な仕事をこなしている。
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