滞納保証サービスへのニーズ

滞納保証サービスは家賃保証サービスと呼ばれる事もあり、入居者の入っていない部屋の家賃収入も保証する一括借上保証サービス(サブリース)と稀に勘違いされている方もいるようですが、今回、採り上げさせて頂くこの滞納保証サービスは、入居者が家賃滞納をした時や夜逃げをした時などの万一の際に、滞納された家賃等の保証をするサービスとして、この10年程の間に急速に伸びてきたサービスです。
滞納保証サービスが伸びてきた理由のひとつとして少子高齢化という社会背景があります。
 

例えば入居される方の身元がしっかりしていても親が年老いて年金生活をしていることで、保証人として認められない場合や、頼れる近親者がおらず、知人にも保証人を頼めない時などに保証会社の滞納保証サービスが利用されています。今までだと、こうした方に部屋を貸すことができず、取りこぼしてきた訳ですが、保証会社の出現によって貸主側は滞納リスクを回避することで、部屋を貸すことのできる機会が増え、貸主や管理会社、そして、仲介業者にとっても、必要不可欠な存在となってきています。また、保証会社のその他のサービスとして、原状回復費用や残置物処理費用、法的費用の保証さらには家賃収納業務の代行などをしているところもあり、賃貸業界からのニーズに対応した様々なサービスが誕生しています。

満室経営の鍵

今までは、保証人のいない人、お金のない人、信用力の弱い人が、保証会社の滞納保証を利用する対象者になってきましたが、冒頭でも書いたように、不動産会社によって、少し違った活用方法で集客や物件の稼働率を高めることに成功している会社があります。
まず、集客で成功しているケースをご説明しましょう。
賃貸物件の募集方法としては、インターネットを活用するのが一般的になってきた訳ですが、大手検索サイトには、物件情報が溢れています。
そのため、多くの物件情報の中から自分達が掲載する物件情報を、検索結果にヒットさせるよう手段をとらなければなりません。
そこで、敷金（保証金）、礼金（解約引き）を減額、もしくはゼロにしてインターネットに掲載するのです。
こうした物件を探す人は、何もお金がない人ばかりでは、ありません。
お金がある人でも、手軽に借りることのできる敷金（保証金）、礼金（解約引き）が少ない物件を求めているからです。
本来なら、万一の滞納に備えて敷金（保証金）を担保として預かっておきたいところですが、保証会社を活用することで、入居者による滞納リスクを回避できますので、こうして、集客面において保証会社を活用することができます。
また、こうした結果、物件の成約率が高まり、稼働率も上昇し、収益アップを図ることに成功しているようです。
こうして、消費者のニーズと不動産会社の思惑が合致し、敷金（保証金）、礼金（解約引き）ゼロの物件が増加している現状があり、この業界の流れは、物件供給が過剰になっている市場では、更に勢いをつけて拡大すると思われます。

●入居者メリット
・保証人を探す手間や、頼む煩わしさが省けるので入居しやすくなる。
・保証人が用意できない為に断られていた物件にも入居が可能になる事がある。
・敷金や保証金が不要になる場合もあり、さらに入居しやすくなる。

●オーナーメリット
・家賃滞納リスクが軽減できるのでキャッシュフローが安定する。
・保証人がいなくても入居できる場合があるので空室リスクを軽減でき、収益アップに繋がる。
・敷金、もしくは保証金を抑えて募集ができることになり、入居者が入居し易くなる為、空室リスクを軽減でき、収益アップに繋がる。
・原状回復費用や残置物処理費用、法的手続きに関わる費用の保証がある場合は、夜逃げなどの万一の事故処理がスムーズにできる。

●管理会社メリット
・家賃滞納リスクが軽減でき、結果として回収業務の軽減に繋がる。
・家賃収納代行サービスを利用すれば、家賃収納に関わる業務を大幅に軽減できる。
・原状回復費用や残置物処理費用、法的手続きに関わる費用の保証がある場合は、夜逃げなどの万一の事故処理がスムーズにできる。

●仲介会社メリット
・敷金（保証金）、礼金（解約引き）ゼロで募集できれば、ヒットし易くなる。
・保証人がいない、お金がない、信用が低い人にも貸すことができ、仲介の機会が増える。