DCR(債務回収比率)が最低でも1.2はないと危険 金利上昇に備えた資金計画が必要
全額自己資金で買う場合は、NOIから何年で投資が回収できるかすぐわかりますが、問題はローンを組んで買う場合ですね。
買っていいかどうかという判断は、債務回収比率(DCR=Debt Coverage
Ratio)という指標で行います。これはNOIを年間のローン返済額で割った数字のことです。一般的にはDCRは最低1・2は必要です。要するに返済額の1・2倍の賃料収入があるということです。これ以下だとリスクが高いといえます。
注意したいのは、固定金利でローンを組んでもらえるならいざ知らず、変動金利のローンは将来金利が上がるおそれがあるということです。
金利が上がったときにも1・2以上ないと安心できないので、ぎりぎり1・2の場合は物件価格を低くするか、自己資金を上げるかのどちらかにする必要があります。金利は4・5%で計算しておきましょう。
金利が上がるということは景気がいいからで、そのときは物価も上がる、家賃も上がる。だから金利上昇のシミュレーションは必要ないのではないかと考えられるかたもいらっしゃるかもしれませんが、賃貸の契約はおおむね2年間ですし、金利が上がっても同時に家賃がすぐ上がることはありません。この4・5%で計算するという考え方はたいへん重要です。
記事提供:主婦の友社
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