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公認会計士・友弘正人先生の税制ノウハウ

~相続税調査に関するリポート~金融資産は調査されやすい!相続税調査の実態

税務調査では、亡くなった本人及び家族名義の銀行預金は、何年もさかのぼって金融機関に照会され、取引内容が調べられます。繰越して必要のなくなった預金通帳なども保管しておく必要があります。

相続開始前に引き出した預金
相続開始前に引き出された現金や預金は税務署には判らないのでは?と誤解されている方が多いようですが、税務当局は金融機関での取引状況はほとんど把握しています。亡くなった本人の名義はもちろん、配偶者、ご子息名義の預金についても調べています。
相続財産の確定は、死亡日現在の現金・預金の残高で計上します。相続申告書には死亡日現在の預金残高証明書を添付するわけですが、死亡後の預金口座の凍結に備えて事前に多額の現金を引き出し、一時的に相続人の口座へ保管することはよくあります。しかし、相続申告の際には、相続開始前に引き出した預金は「手許(てもと)現金」として必ず相続財産に計上しなければなりません。間違っても「誰にも言わなければ見つからないのでは・・」というような考えは起こさないようにして下さい。

過去の不動産等の売却による現金の行方
過去に不動産や株などの売却があった場合、税務調査ではその現金の行き先については必ず質問を受けます。「相続開始の10年前にお父様は不動産を売却されていますが、その時の2億円はどうされましたか?相続財産にはそれに見合うだけの現金の計上はありませんが・・」「さあー、父が全て管理していたので私どもには全く分かりません」では税務当局には通用しないのです。
相続税調査では現金、預貯金、有価証券など表に現れにくい財産を重点的に調査します。ご本人がそのお金を費消していれば問題はないのですが、税務当局は、その資金が別の資産に変わっていないか、その資産は漏れなく相続財産に計上されているか、相続財産から除外されているものはないかをチェックします。お金の管理は亡くなったご本人が全て行なっており、相続人は全く知らないというのはよくあるケースですが、不動産の売却や多額の資金の移動があった場合は、その理由や資金の行き先をある程度把握しておくことが重要です。特に親族間で資金の移動があった場合は贈与税の対象にもなりますので注意が必要です

現金の行き先が本当に分からない場合

不動産の売却代金が他の資産に変わっている形跡も無い、また親族間に流れた形跡もなく本当に何に使われたか分からない場合、税務当局はどのような判断を下すのでしょうか?税務調査においては亡くなった本人だけでなく相続人全員の預貯金についても調査されているわけですから、相続人に現金が流れた形跡がなく、各相続人の答弁や態度に不審な点がなければ、特にそれ以上の追求は難しいようです。

隠し財産が見つかった時のリスク
漏れていた財産が見つかった場合の最も大きなリスクはペナルティーとして新たな税金が追徴されるということです。
新たに発見された財産に対する税金はもちろん、その税金に対する延滞税と、少なく申告してとして「過少申告加算税」が課せられます。また、故意に財産を少なく申告した場合は過少申告加算税ではなく、もっと税率の高い「重加算税」が課せられることになります。それよりも財産を隠している事に対する精神的重圧は相当なもので、申告後2年も3年も調査がこないかとビクビクしなければなりません。また仮に調査が来た場合、あなたは調査官を前にどこまでシラを切りとおせるでしょうか?・・仮装隠ぺいに対するリスクは金銭的にも精神的にもあまりにも重いのです。

2006.11/07

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友弘正人 (ともひろまさと)
(公認会計士・税理士・CFP・行政書士)
昭和24年生まれ。
中央大学商学部卒業。昭和50年公認会計士第2次試験合格開業。監査法人大成会計、アクタス監査法人社代表社員を経て、平成12年株式会社トータル財務プラン代表取締役。株式会社アート相続プラン代表取締役を兼任している。
NHK文化センター、商工会議所、日本経済新聞社、中小企業センター、三和総研、日本総研、その他講義・講演マネジメントサービス活動を展開。
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