大家さん、管理会社様の賃貸不動産経営支援サイトREPROS(リプロス)

トップページ ≫ ノウハウ ≫  公認会計士・友弘正人先生の税制ノウハウ ≫ 中小企業の経理を考える~厳しい時代に勝ち残るために、パソコン会計の導入を!!~

公認会計士・友弘正人先生の税制ノウハウ

中小企業の経理を考える~厳しい時代に勝ち残るために、パソコン会計の導入を!!~

(1) パソコン会計のすすめ
 若干回復傾向の兆しがみえつつあるものの、われわれを取り巻く経営環境の変化は非常に早く、かつ厳しいものになっています。厳しい時代に勝ち残っていくためにはスピード経営(即断、即決、即行)が要求されます。社長が自社の状況を財務数値により把握し、とるべき方策をいち早く取り入れ、戦略的に経営を行っていかなければなりません。
 スピード経営のためには最新の収益状況、最新の資金繰り計画の基礎データ、最新の原価状況のタイムリーな把握が必要です。月次決算あるいは日次決算までできなければ的確な判断や行動は取れません。
 自社の最新の状況を常に把握しておくためには経理処理のパソコン化しかありません。しかも従来の手書による帳簿作成では集計業務等を人手により行うため、数値を把握するまでにタイムラグが発生し、即時性という観点で経営の要請に適合しないことになります。
 そこでパソコン会計導入が必要となるのです。

(2) パソコン会計導入のポイント
 「パソコン会計導入は重要な課題である」とはいえ、そのために経理業務のコスト(作業時間、人件費)が増大するようでは本末転倒です。パソコン会計の導入により経理業務の合理化も同時に図りましょう。本来、経理業務の大部分を占める、記帳、転記、集計のルーチン作業はパソコンが最も得意とする仕事ですので、パソコン会計を導入すれば、作業時間は大幅に削減されるはずです。
 しかし、パソコン会計を導入したのに、経理の仕事が一向に効率化(月次試算表の完成が10日早くなったとか、残業時間が30%削減できたとかといった数値改善)がされていない会社がほとんどです。それはパソコン会計を導入しても経理のやり方を変えていないことが原因です。
 パソコン会計導入の際には次の点を参考に経理業務の見直しを図って下さい。
1.手書きの帳簿や伝票を廃止する
 今までどおり、手書きで伝票を起票してそれを会計ソフトに入力していたのでは明かに二度手間、作業時間は増えることになります。仕訳伝票を切らずに直接入力しましょう。
2.作業をできるだけ簡略化し、パターン化する
 毎月発生する仕訳のパターンをすべて登録しておけば入力作業はぐんと楽になり、また誰でもできるようになります。言ってみれば入力作業はパートやアルバイトでもできるようになるのです。
3.入力件数を減らす
 入力件数を減らす前提は業務の合理化です。たとえば出張者の経費精算を月1回の一定日にする。又は給料精算とする。経費支出も月1回の一定日にするなど細く検討していきます。
4.効率化した後、削減された時間で何をするかを明確にする
 パソコン会計を導入して作業時間が減少しても、新しい業務を明示しないと、それによって空いた時間で、会計ソフトでも作成できるような補助簿をExelを使って別の形で集計するなど同じような作業を繰り返しがちです。削減された時間を有効に利用できるようフォローが大切です。
5.相互牽制システムを同時に考える
 業務を合理化する際に注意するポイントは事務ミスの防止です。ツボを押えた検印、チェック等の相互牽制システムを同時に構築しましょう。

(3) 会計ソフトの選び方
 会計ソフトの選択ですが、ソフト会社に依頼して、自社にあった経理ソフトをオーダーメイドで開発してもらうようなことはやめましょう。これこそお金と時間の無駄です。経理業務のやり方を見直し、市販のパッケージソフトに業務を合わせましょう。
 現在市販されている会計ソフトは、機能的にはそれほど差はありません。とはいえ一長一短はありますので自社と会計事務所間でのチェック機能が相互補完時に発揮できるかどうか顧問の会計事務所に相談して自社に合ったものを購入されるのがよいでしょう。そして初期設定は消費税の設定等、難しい部分がありますので必ず顧問の会計事務所に見てもらって下さい。

(4) 会計事務所、経理担当者も本来の力を発揮

 本来、経理業務で重要なのは、会計情報を早く経営者に提供することです。経理社員は会計処理や残高合わせに時間をかけるのではなく、経営に必要な情報をアウトプットし、問題点を早期に発見することに時間を使うべきなのです。パソコン会計導入によって削減されたルーチン作業の時間と、会計ソフトで集計したデータを有効活用していくことで社長の戦略的経営を強力にサポートする部門となることでしょう。
 同様に、税理士も、税務会計上の問題点を早く把握することにより、本来の指導、相談に本領を発揮できるようになるのです。

 パソコン会計はフォローがしっかりしていれば、埃がかぶって積まれることは決してありません。すでに税務において、国税庁はじめ管轄官庁のホームページから情報入手できるようになっています。申告書のダウンロードや電子申告もできつつあり、今後ますますパソコン会計の活用の場は広がるでしょう。

2005.02/01

関連記事

友弘正人 (ともひろまさと)
(公認会計士・税理士・CFP・行政書士)
昭和24年生まれ。
中央大学商学部卒業。昭和50年公認会計士第2次試験合格開業。監査法人大成会計、アクタス監査法人社代表社員を経て、平成12年株式会社トータル財務プラン代表取締役。株式会社アート相続プラン代表取締役を兼任している。
NHK文化センター、商工会議所、日本経済新聞社、中小企業センター、三和総研、日本総研、その他講義・講演マネジメントサービス活動を展開。
詳しいプロフィールはこちら ≫

お問い合わせ
株式会社トータル財務プラン
友弘正人公認会計士事務所
〒651-0087 神戸市中央区御幸通3丁目1番8号 ライオンズ 三宮ビル2階
TEL:078-221-7711 FAX:078-221-7717 https://topp.co.jp/